★政策コラム1
憲法が最も重要な法の基盤であるならば、その条文の意義・意味は最大限の厳密さを要求され遵守されるはずのものです。したがって、もし、憲法が新たな時代の現実との乖離を解釈で濁らす必要を生じたならば、むしろ法として適切に改正する必要があります。憲法が法としての厳密さを失えば、およそ我が国におけるすべての法の厳密な遵守が危うくなるものと考えます。その観点から以下の条項は改正が必要であると考えます。
改正すべきは以下の3つの要点と関わる条文です。一つは軍隊としての自衛隊の存在。一つは国家を滅ぼしかねない無責任な財政の歳出増。もう一つはSNSなどにより個人が大衆に表現することの責任に対する規定です。
① 第二章第9条第2項:現行の「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権はこれを認めない。」⇒ 「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は国民の生命を守る自衛権の行使の目的のほかにこれを保持しない。国の交戦権は軍事的侵略を阻止する目的において、一時的に行う場合を除き、これを認めない。」
軍隊として位置付けることは、曖昧な形ではなく、平和を追求する日本の国と国民のあり方に係る国民の意思を明示化していくことにおいて重要な一歩であると考えます。
政治として軍隊を統率すること、災害派遣などでその能力を最大限に発揮すること、大小の武力攻撃への最善の対応手段などを、国民が見える場で適切に議論・検討し、施策を発展させるための基盤造りを、その根幹である憲法において土台を固めることから行うことが重要と考えます。
同時に、平和を希求する信念からは、仮に武力衝突を生じても、例えば、6日以内に停戦の協議あるいは申し出を行わなければならないことを今後、新たな法律で規定していくなど「まず平和」、「平和」第一主義を貫けるような施策を策定していくことが重要です。すなわち憲法に則り、現実を見据えた施策を形成していくことこそが平和を実現することとなり、その起点となるのはやはり、憲法であると考えられます。
② 第七章第86条:現行の「内閣は、会計年度の予算を作成し、国会に提出して、その審議を受け議決を経なければならない。」⇒「内閣は、会計年度の予算を作成し、国会に提出して、その審議を受け議決を経なければならない。予算の編成においては公債によらない歳入と歳出との均衡を尊重しなければならない。」
若い世代への支援を「大人」が行うということにおいて、例えば、親が子に借金を負わせるつもりで自分は気ままに借金漬けで生きるなどがあり得ないのが当然の理であるとおり、今、社会に責任を負う世代が、政府の財政状況を責任をもって、改善・解決しなければならないのは当然のことであり、それを無視して、現状、明確な日本の借金の返済計画がどの政党からも示されていないなどは、信じ難いこととも言えると考えます。
1,105兆円ともされる借金(財務省)は、今後、年々減らしていかなければなりません。
2024年度においては、歳入・歳出112.5兆円のうち、返済に当たる歳出の国債費が27.0兆円であり、他方、借入に当たる歳入の公債金は35.4兆円となっていて、借金はさらに増大しました。公債金を除く歳入の額は77.1兆円です。
2025年度予算案においては、歳入・歳出115.5兆円のうち、返済に当たる歳出の国債費が28.2兆円であり、他方、借入に当たる歳入の公債費は28.6兆円となっていて、借金の増大幅は大きく縮小しましたがそれでも借入増です。公債金を除く歳入の額は86.9兆円です。税収などの歳入が増えて2024年より返済を進める機会が増し、新たな公債金が減りましたが、歳出を抑えないと計画的な返済には結びつかないことが理解されます。
② 第二十一条:現行「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。」⇒「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。何人も、これら表現の自由の一切において他者の人権を侵してはならず、また、虚偽の表現によって公共と国民との安全と生活とを侵害してはならない。」
私たちは行動において「自由」です。だからといって、誰かを殴ったり傷害したり不当に労働させたりすることは許されません。身体的なことと同様、精神的なことにおいても、言論によって、誰かを不合理に傷つけてはいけないのです。基本的人権の尊重、そして、それぞれの人のもつ人権を尊重し合うことこそ、憲法において規定する最も重要な事項の一つであり、言論においてもそのことを明文化し、私たち、日本社会における人権尊重の形、「善き言論の自由」の哲学を明文化します。
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